今回の書評は『「自分資産化計画」お金を持ち続けられる人になるために』について。
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人生において最大の資産は紛れもなく「自分」だ。
その自分から得られるリターンを大きくするするためにはどうすべきなのか?
そのヒントを得られればと思い本書を読んでみた。
お金について
この本のコンセプトは「お金を持ち続けられる人」になること。
確かに死に物狂いで仕事をして収入を上げたり、投資で一時的に大きな利益を得たりしても、自分が働けなくなってしまえば、またはお金を使い果たしてしまえばそれで終わりだ。
最大瞬間風速的な稼ぎ・収入・利益ではなくて、コンスタントにお金を持ち続けることが大切なのは理解できる。
ではそもそもなぜお金が必要なのか?
それはお金が生きていく上で必要なモノやサービスと「交換できる媒体」であり、自分の欲求を満たしてくれる道具だからだ。
ではお金を持ち続けられる人とそうでない人とはどう違うのか。それは、以下の3点に集約される。
- 自分の損益計算書・貸借対照表が分かっている
- お金は「回し続けるもの」だと考えている
- 不労所得を持っている
なるほど確かにその通りだが、文言だけ見ても腑に落ちないかも知れない。
これらのマインドを持ち実現するするためにはどのようなアプローチを取るべきなのか、次章から書いていくことにする。
野望のために生きる
「野望」と聞くと何やら他人には大っぴらに言えないことのようなイメージだが、要は「〜たい」こと。
具体的には以下の3つ。
- be:なりたい
- do:したい
- have:欲しい
この3つは誰しも持っていると思うが、聞かれてパッと答えることができるだろうか。
これらをハッキリさせて自分はそのために生きると決めるのだ。
ただ、いざ紙に書き出してみようとすると、これがなかなかうまく言葉にならなかったりまとまっていなかったりする。
気をつけなければならないのは、単に憧れているとか好きなものが本当の野望になるとは限らないという点。
例えば「投資でFIREしたい」みたいに思っても、それは読んだ書籍に書いてあることだったりちょっとネットで調べていいぁと思ったりしただけかもしれない。
または「ランボルギーニに乗りたい」というのは、なんとなくモテそうとか周囲から羨ましがられそうとか、優越感を得たいみたいな理由かもしれないが、実はそれは心底自分が思っていることではなくて映画や都心のショールームで実物を見た時の憧れかもしれない。
自分の信の野望というのは、実際によく考えて書いてみようとするとなかなかまとまらないものだ。
これはやってみると、何か薄っぺらい内容になってしまうのでよくわかる。
逆に「したくない」ことを書いてみる
ここからが本当にやってみるべきこと。
それは先の3つと逆のことを書いてみるのだ。つまり「なりたくない・したくない・欲しくない」ことだ。
実はしたくないことの方が、より具体的でサクサク出てくる。
例えば、満員電車で通勤したくないとか、上から目線で失敗ばかりネチネチ言ってくる上司と毎日顔を合わせたくないとか、居酒屋で愚痴ばかり言っているハゲづらのおっさんにはなりたくないとか。
このような「したくない」ことのパワーはすごいので、それから逆算して考えていった方がまとまるかもしれない。
人は「利益を得たい」という欲よりも「損をしたくない」という欲の方が強いらしい。
このしたくないことのパワーをうまく使って自分の野望リストを完成させるのが最初の一歩だ。
自分の現在地を把握する
「目標を紙に書いて見えるところに貼って毎日復唱しています!」みたいな人でも、自分の現在地を把握できていない人は多い。
目的地がハッキリしていても、自分が今どこにいるかが分からなければ目的地に辿り着くことはできない。
自分の現在地を把握するための3要素
自分の現在地には3つの要素がある。
- お金
- 時間
- 能力
1つ目の「お金」は、自分の収入・支出・資産・負債だ。
それを簡潔に表せるのが損益計算書と貸借対照表であり、自分に関するこの2つを書けるようになれば、まず間違いなく現在地は把握できるだろう。
2つ目の「時間」というのは、自分のやりたいことに使える時間がどれくらいあるか、ということ。
当然のことだが、時間がある人の方がより早く目的地に着ける。
1日のタイムスケジュールを書き出してみて、どのくらいの時間を自分の野望のために使えるかを把握してみることだ。
3つ目の「能力」はそのままだが、野望を達成するのに必要な能力が現時点でどの程度かということ。
具体的には「お金」の部分でも述べた自分に関するお金の流れ(キャッシュフロー)を理解することや、投資・セールスに関することだ。
これら3つに分けて考えてみると、自分の現在地はより把握しやすい。
自分をコントロールする
目的地や自分の現在地が分かったら、最後に必要になるのは「自分をコントロールする」こと。
これは逆に「自分以外はコントロールできない」のを知ることでもある。
これもまた以下の3つの要素に分けて考えることで、能力を高めていくことができる。
- 感情
- 思考
- 行動
まず根底にあるのが「感情」。
人は仕事でも家でも必ず誰かしらと接することになるから、対面に限らず電話・zoom・メールなどのコミュニケーションが発生する。
その際に「この人は苦手だな」とか「怒ってるのかな」などと感じることもあるかもしれないが、それは全て自分の“受け取り方”次第だ。
自分がそう思っているだけで、他人が実際に何を考えているかは分からないのだから、受け取り方をよりポジティブにして、つまらない負の感情を起こさないようにするべきなのだ。
次の「思考」については、周囲も含めて「できない」という思考を「どうしたらできるか」と考える思考に変えるということ。
実際にできるできないは関係なく、どうやったらできるかという視点を持つことで、自然と次の行動につながっていく。
他人の「できない」は完全に無視し、それが口癖の人は遠ざけるべきだ。
そして「行動」が大事なのは言わずもがななのだが、具体的に行動する方法を挙げると「環境の力」を手に入れること。
例えば、机の周りを片付けるとかコミュニティに参加することもそうだし、極端な例だと会社を辞めるというのも環境の力を使う手段だろう。
このような視点で自分をコントロールするわけだが、絶対にNGなのは「100%を目指そうとする」こと。言わば完璧主義だ。
人間は感情の生き物なので、100%コントロールするなんて絶対に無理だ。筆者的には「20%を目指す」くらいで良いらしい。
確かに1日の時間で考えれば、眠っている時間・仕事をしている時間・食事をしている時間などほぼコントロールできない部分が多いわけで、それを考えれば20%は現実的な数字かもしれない。
この本のポイント
自分資産化とはすなわち「お金を持ち続けられる人」になること。
そのためには、
- 野望のために生きる(野望リストの作成)
- 自分の現在地を把握する(お金・時間・能力)
- 自分をコントロールする(感情・思考・行動)
これらの手順を踏み、最終的に自分コントロール率20%を目指す。
言うは易し行うは難しだが、まずは「やりたくない」ことリストの作成からぜひ始めてみてほしい。
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