「収納」は生活に必須だ。家を決める(建てる)際に収納の多さを重視する人も多いだろう。
それで収納がもう少しほしいなぁと思った時に、買うと高いしピッタリのものも無いから自作しようとする人もいるだろう。
ただ、この自作の棚や収納、最終的に思いの外高額になってしまうこともあるので、安く仕上げたい人は注意するべき。
今回はその具体例と、職人なら廃材利用の勧めについてお伝えする。
結論:自作の棚は作り方によって高くつく
残念なお知らせだが、自作の棚や収納は売っているものより高くつく。
なぜなら、完成品として売っているものは、大量生産しているし徹底的に材料やコスト管理されているからだ。
だからよほど簡単な作りのものでなければ、ほとんどの場合高くついてしまうと思った方が良い。
もちろん、自分の思い通りに作れるというメリットは大きいし、作ることの楽しさを味わあるし時間をかけて作ったものには愛着が湧くだろう。
それで、もしあなたが自分で棚や収納を作るとしたら、完全に全てを価格重視でできるだろうか?
実際に私も数々の自作収納を作ったので分かるが、ムリだと断言できる。
まず安い材料は質や強度に不安がある。
そして納得した材料でないと作る時の楽しみも半減するし、使っていても何となく違和感というか気に食わない感じがしてしまうものだ。
だから結局は高くついてしまうし、まぁそれでも納得できるものを楽しんで作るべきなのだ。
つまり単に価格だけで考えればコスパは悪いということになる。
現場職人ならではの廃材利用
あなたがもし職人(もしくは仲の良い職人の知り合いがいる)なら、現場で出る廃材を使わない手はない。
なぜなら、建築現場で使う材料は事故が起こったらマズいため非常に頑丈だし、表目は少し汚れていたとしても短期間しか使ってないケースも多いからだ。
例えば下地や養生材として使われるコンパネやパネコート、足場板など現場ではたくさんの木材を使っている。
特に造作が多い建物では現場で木材を加工するため、多くの廃材が出るのだ。
なので、もし作ろうとしているものがあって、大体このくらいの材料が欲しいと分かっているなら、それに近い廃材がないかをチェックしておく(職人の知り合いにお願いしておく)と良いだろう。
完全にカチッと一致する材料がなかったとしても、ちょっと掃除して加工すれば使えるものが多い。
現場の廃材利用時の注意点
タダで手に入れられる現場の廃材だが、利用するにあたって注意点がいくつかある。
- 原則として現場で出た廃材は産業廃棄物として廃棄しなければならない
- 釘やビスが刺さっていることがある
- 必要な材料が手に入るタイミングは分からない
まず基本的なことだが、現場で出た廃棄物は有害物質や危険なものが付着している可能性もあるから、本来は現場外に持ち出してはいけない。
ただ、そのような可能性がなく割と綺麗なものなら利用した方が、現場でかかる廃棄費用的にも環境的にも絶対に良いはずだ(あくまでも利用は自己責任で)。
また、実際利用するとなったら釘やビスには十分に注意した方が良い。
現場では釘が突き抜けて出てたり大きな棘が出ていたりするのが普通だからだ。
それから、ほしい材料がほしい時に手に入るとは限らないので、急ぎで作りたい場合には当てにしないほうが良いだろう。
自作コレクション
さて、最後になるが参考までに私が作った自作コレクションをご紹介しておこう。
大したものではないが、イメージにはなるだろう。
ウォールシェルフ
棚受け金物とそれに合う棚板と取付け用のビスだけでできる、最も簡単であろう自作の棚だ。
壁の下地を探したりボードアンカーを使用したりする必要があるが、棚受けを壁に取付けて棚板を乗せるだけで完成する。
棚板が大きくなるほど、乗せたいものが重くなるほど強度がいるが、ビスが下地に効けば問題ないだろう。
参考:壁にビス(ネジ)を効かすための全手順!コンクリート・木・ボード対応
棚受け・棚板にこだわらなければ結構安く、しかも自分の好みのサイズで作れる。
だから我が家ではスペースを見つけては、複数箇所に設置している。
ディアウォールを使用した棚
「ディアウォール」は、壁や天井を傷つけることなく棚や収納を作れる商品。
2×4の木材を突っ張り棒のような要領で床〜天井間に立てることにより、そこに金物や板を固定できるのだ。
これを利用すると壁の下地を探すことなく、傷つけることなく強度のある棚を設置することができる。
壁が傷つかないため、位置を変えたり増設したりが心置きなくできるメリットがあるが、強度を確保するには垂木などでそれなりに補強が必要だ。
2×4材や補強材を含めると材料は多くなるが、これも“生材”を自分で切るなどすればコストを抑えられる。
キャットタワー
我が家では猫を飼っているが、キャットタワーを買うのもバカらしかったので自作した。
ディアウォールを使って、途中に小さな足場をいくつか取付けただけの簡素な作りだ。
コレはディアウォールと2×4材以外は完全に現場の端材なので、メチャクチャ安く仕上がった。
今回のまとめ
今回は自宅に自作の棚や収納を作る場合のコスパについて書いてみた。
見た目にこだわらず現場の廃材を利用できるなら、間違いなくコスパは高いだろう。
逆に材質や見た目にこだわり、頑丈で見た目もカッコいいものを作ろうとするとおそらくは買うより高くつく。
ただ、いずれにしてもサイズを好みのものにできるのは最大のメリットだろう。
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