投資に欠かせないものと言えば何を思い浮かべるだろうか?
証券口座・資金・知識・手法・・・
確かに必要だが、それよりももっと根本的に重要なもの。
それが「マインド」だ。
投資で勝つも負けるもマインド次第。
投資では勝つ人1割、負ける人9割と言われているが、つまりはほとんどの人が負ける「残念なマインド」を持っていることになる。
今回はこの「残念なマインド」を深掘りする。
投資で負ける人が持っているマインド
投資で利益を出せない人が持っている「残念なマインド」とは、「隣の芝生が青くてキラキラして仕方なくてすぐ流される」だ。
日本株でもFXでも、少しネットをサーフィンすれば魅力的で怪しげな情報が大量に出てくる。
例えば、「勝率97%を叩き出した伝説のEAがついに…」「1日5分チャートを見るだけ!忙しい主婦でも初月から月30万円を達成できた手法とは?」のような感じ。
さすがにそんな誇大広告に騙されて高額な情報商材を買ったりスクールに入ったりする人は多くはないだろう。
ただ、問題なのはちょっとした株価の下落やSNSの情報などを見て、精神的に不安定になったり考え方をコロコロ変えること。
例えば
- 株を買った後に株価が急落し不安でいてもたってもいられなくなる。
- 含み損を抱えたことに焦って投げ売りしてしまう。
- ちょっと名の知れた人がSNSなどで「今が買いだ」と言っている銘柄を何も考えずに買う。
- SNSやYouTubeなどのネガティブな意見を見て保有銘柄を売却してしまう。
- 自分が保有している銘柄の否定的な情報を見てヘコむ。
- ちょっと含み益が出ると利益を確定させたくて仕方ない。
- 全体的に株価(保有資産の評価額)が下がると全ての資産を売却して手仕舞いしてしまう。
パッと見ても、このようなことをしていたのでは利益をあげられないのは明らかだ。
投資で利益を出す基本は「安く買って高く売る」ことだが、全く逆のことをしているケースがほとんど。
少し下がったら不安になり投げ売りしてしまう、自分の意思ではなくSNSやYouTubeなどを回遊してチラッと見た情報で売買してしまうなどだ。
これはちょっと冷静になって考えてみれば明らかにおかしいことが分かる。
住む場所・食べるもの・着る服・車・家具・スマホ(キャリア)・ティッシュなどの消耗品に至るまで、お金を使うことに関して普通は結構考えて納得して決めるはずだ。
なのに投資となると、なぜか他人の意見や流行り、値動きなんかに流される人が本当に多い。
私も正直なところ値動きは非常に気になるタイプだが、「自分の投資の軸」があるため、安易な売買はまずしない。
そう、実はこの「自分の投資の軸」を確立することこそが、負けるマインドから脱却するカギなのだ。
この点について、次章で具体的に述べていく。
自分の投資ルールを確立しよう
投資ルールは絶対に必要だ。
なぜなら、ルールの無い投資はギャンブルのようなものだし、ちょっとした値動きや他人の意見に振り回されて、結局損失を出す原因になるから。
逆に言えば「自分の投資ルール」を確立し、それを愚直に貫くことができれば、100%勝てるとは言わないまでも大きく損をすることは絶対に無い。絶対にだ。
例えば、とある株式の個別銘柄を保有しているとして、その「評価額が〇〇%下がったら売却する」というルールがあれば、株価が急落したとしても大打撃は免れる。
また、毎月決まった銘柄・額を投資する積立なら、株価が下がっている時にもより多く購入できるため、株価が上昇した時によりその恩恵を受ける事ができる。
正直なところ、未来の値動きを完全に予想することはプロでも不可能なので、自分なりのルールを確立する事が非常に大切になってくるのだ。
投資ルールの確立に必要なこと
では投資ルールの確立には何が必要なのだろうか?
まずは投資に対する最低限の知識。
口座開設や売買の方法はもちろん、株や投資信託などの投資商品の特徴、保有期間や投資手法による違いなど、ある程度の時間をかけて勉強すべきだろう。
基礎となる知識がない状態でルールを確立することなど不可能だ。
次に大切なのが自分の性格やライフスタイルを理解すること。
どの程度資金を用意できるのか、1日の中で投資に割ける時間はどのくらいなのか、周りに流されやすい性格なのか意志が強い方なのかなどをまとめる必要がある。
このライフスタイルに合った投資ルールでないと、守る事ができずにすぐ挫折してしまうだろう。
仕事や家族がある中で投資に使う時間を確保するのは、実はなかなか難しい事なのだ。(私も小さい子供が2人いるので、その難しさは身に染みている。)
これらの2点は最低限必要なこととして、時間をかけて紙に書き出すなどの方法で明確にしておこう。
具体的な投資ルール
前述の2点が明確にできたとしても、すぐにカッチリした投資ルールが出来上がるわけではない。
なぜなら、実際に投資をやってみると、明らかに自分のライフスタイルにマッチしていなかったり、思うようなタイミングで売買できなかったりするからだ。
これを解決するには、トライ&エラーつまり実際にやってみながら少しずつ軌道修正していくしかない。
完全に理解するまでお金をつぎ込むのは危険とか、投資先が曖昧な状態でやるべきではないなどの意見もあるとは思うが、何せ実際にやらなきゃ始まらないのである。
実際に自分のお金を投資してみると、意図しないタイミングで売買してしまったり、株価が予想と全く逆の動きをしてパニクったりと、経験値がどんどん高くなっていく。
特に失敗から学べることは非常に貴重なので、最初のうちはどんどん失敗すべきである。
そのためにも、まずは万が一無くなっても良いと思えるくらい少額から始めるといい。
試行錯誤しながら、自身の精神面にも影響が出ない金額や時間を確立するのだ。
具体例
では具体的にはどんな感じかと言えば、例えば私の米国株に関する投資ルールは以下だ。
- 基本的に購入した銘柄は数年〜数十年保有し続ける。
- 保有によって得た配当金は再投資する。
- 株価が25%値下がりしたら損切り。
- 1銘柄の保有量は全投資資金の4%までとする。
- なぜその銘柄を買うのか説明できるものだけを買う。
- 幅広く様々なセクターに分散投資し、最大でも25銘柄程度を維持する。
- 月に1回バランスを確認し、5〜7万円を追加投資する。
ベースが中長期目線の配当株なので、上記のようなルールを定めている。
項目が多いように感じるかもしれないが、自分の大切なお金を投資するのだから、このくらいは最低限だと思っている。
そしてこれらのルールを「鉄の掟」とすることで、ちょっとやそっとではブレない軸が出来上がるのである。
今回のポイント
投資の世界においては、勝ち続けられる人は一握りであり、ほとんどの人はトータルで負けているか、投資を続けられない。
そんな投資で利益を出せない人に共通しているマインドというのは、軸となる「自分の投資ルール」が無いこと。
軸がなければ、ちょっとした値動きや周囲の情報に影響されて意図しない売買を繰り返して、結果的に損をするわけだ。
今回の記事の内容を元に、ぜひ自分の投資ルールを確立すべく試行錯誤していただきたい。
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