米国高配当株ABBVで不労所得を築く戦略

【保有情報】

2021年の1月に初めて買付けして以来、少しずつ買い増しし、現在の保有状況は18株。

途中NISA制度が切り替わったことによるロールオーバー(一旦売却後に再購入)を行った。

米国株投資を開始して以来、もっとも長く保有しているお気に入り銘柄の1つだ。

では分析を見ていこう。

 

企業概要

アッヴィ(AbbVie)は、米国イリノイ州に本社を置くバイオ医薬品企業。

2013年にアボット・ラボラトリーズから分社化し、免疫疾患やがん治療、神経科学領域に注力している。

 

主力製品は自己免疫疾患治療薬のヒュミラで、長年世界売上1位を誇ってきた。

最近は特許切れの影響が懸念される一方、新薬開発と買収で事業を多角化している。

 

バイオ医薬品の高収益性とブランド力により、堅調なキャッシュフローと安定した増配を実現している。

 

他社優位性

アッヴィの最大の強みは、長期的に築かれた製品ポートフォリオとR&Dへの巨額投資だ。

特にヒュミラは慢性炎症治療の金字塔とされ、グローバル市場で圧倒的なシェアを維持してきた。

 

ただし、ジェネリックの参入で売上の一部は減少しているため、新たな成長源が重要になっている。

そこで近年はスキリージ、リンヴォックといった次世代治療薬を市場に投入し、免疫領域の売上を補完する戦略を進めている。

 

また、アラガン買収により美容医療分野にも進出

これにより収益基盤が従来より多様化し、競合のブリストル・マイヤーズやジョンソン・エンド・ジョンソンと差別化できている。

 

R&D支出は年間60億ドル超で、パイプラインの層も厚い。

 

業績

直近の決算(2024年度通期)では売上高は583億ドル、前年から微減ながらも市場予想を上回る結果となった。

ヒュミラの特許切れによる影響を次世代製品と美容医療で一部カバーしている。

 

営業利益率は約35%と依然高水準。

EPS(一株利益)は年々増加しており、2024年は11.03ドルに達した。

 

配当も着実に増配を継続しており、年間配当は6.2ドル超と高い水準だ。

S&P500平均と比較しても営業利益率・配当性向ともに上位に位置する。

 

キャッシュフロー

キャッシュフローは強固で、営業キャッシュフローは年間約280億ドルと高水準を維持している。

これは新薬開発の資金と株主還元の両立を可能にしている要因だ。

 

フリーキャッシュフローは約220億ドルで、このうち約50%を配当に充てる形になっている。

配当性向は60%台で、持続可能性が高い水準

 

借入金はアラガン買収で一時増えたものの、キャッシュフローによる着実な返済が進んでいる。

財務の健全性は年々改善しており、格付けも投資適格を維持中だ。

 

成長性

ヒュミラの特許切れを乗り越えるべく、次世代免疫治療薬やがん領域の新薬が成長ドライバーになっている。

スキリージは乾癬治療薬として2024年に売上45億ドルを超え、リンヴォックは関節リウマチ領域で急拡大中。

 

今後も年率15%超の成長が期待されている。

また、アラガン買収で獲得したボトックス事業は美容需要の拡大に支えられ、堅調に推移。

 

中期的には売上全体の約30%を新規製品群が占める見通し。

こうした多角化が進むことで、配当の持続性と成長の両立が可能になる。

 

さらに、研究開発の成功確率が高いパイプラインを複数保有している点も投資家に安心感を与える。

 

まとめ

アッヴィは一時的な逆風こそあれ、強力な製品群と巨額の研究開発投資で成長性を維持している。

配当利回りは4%超とS&P500平均を大きく上回り、かつ増配率も過去5年で年率10%超と高い。

 

ヒュミラ依存が徐々に低下し、複数の新薬で収益を分散できる体制が整ってきている。

インカム投資の観点では、安定した配当と将来の増配余地の両方が魅力だ。

 

短期間での目標達成を目指すなら、ポートフォリオのコアに据える選択肢として有力といえる。

 

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