海外のファンドへ積立投資を開始して10年が経過(2023年2月現在)した。
それに当たっては「IFA」と契約していて、紆余曲折はあったが1社との関係が続いている。
その企業名は「ヘッジファンドダイレクト」。
今回はこのヘッジファンドダイレクト社についての率直な感想と、実際に何をしてくれるのか(どんなコミュニケーションをとっているのか)について書いていく。
IFAのメリット・デメリット
本題に入る前にIFAを利用するメリットとデメリットについて考えたい。
なぜなら、良い面とイマイチな面を両方知り理解した上でなければ、ヘッジファンドダイレクトという会社について判断がしにくいからだ。
IFAのメリット
IFAのメリットはなんと言っても「投資に関する助言をしてくれる」ことだろう。
私も含めてだが、お客さんから資金を集めて運用するもしくは投資銀行のような機関投資家と比較すると、個人投資家はほとんどが“シロウト”だ。
そこそこ勉強していて知識があったとしても、実際に証券会社に口座を持っていて株や債券を買ったことがあったとしても、所詮は機関投資家の情報量や経験には遠く及ばない。
そんなシロウトが投資判断に困った際に相談できるのがIFAというわけだ。
また、海外ファンドを売買したりポートフォリオを変更したりする際の手続き関係は基本英語なので、少し英語ができたとしても難解な場合が多い。
それを分かりやすくして代わりに手続きを行なってくれることもある。
海外ファンドの中には桁違いのパフォーマンスをあげている優良ファンドがあるが、日本からでは特定のIFAを通さなければ投資できないケースもあるのだ。
IFAのデメリット
デメリットは、何よりも「手数料がかかる」こと。
この手数料は、契約時だけとか相談1回につきとかではなくて、「運用額の○○%」という場合がほとんど。
これが本当に曲者で、契約している限りは取られので、契約期間が長いほど多くの手数料を払うことになる。
しかもパーセンテージにして年間に1%に満たない程度なのだが、これが毎年かかってくると馬鹿にできない。
例えば月に5万円ずつ積立投資する場合、年間の総積立額は60万円なので手数料が1%とすれば6,000円だ。
これが2年目は12,000円、3年目は18,000円、4年目は24,000円・・・(運用益は考慮せず単純に積立額で計算)。
で、10年積立てた時点で支払った手数料総額がいくらになるかというと、なんと「330,000円」だ!
実際にに積立期間(契約期間)が長ければ毎年比例的に支払額も増えていくので、いくら1%にも満たないと言っても凄まじい金額になるのは分かっておこう。
それだからというわけではないが、ちょっとした疑問でもすぐにコンタクトを取って確認し、使い倒すくらいの勢いで良いと思う。
ヘッジファンドダイレクトとのやり取りや感想
契約前の相談から含めるとヘッジファンドダイレクトとの付き合いは10年を超えているが、実は積立開始直後に大きな山場があった。
契約当初、「アブラハムプライベートバンク」という社名だった当社は、金融庁からの指導が入り業務停止となってしまったのだ。
それまでテレビでも、有名タレントを使って大々的にCMを打っていたこともあり、非常に多くの積立投資に対する新規加入があったようだが、業務停止を受けてそれ以上に解約やクレームが相次いだことだろう。
およそ半年くらいだったと思うが、その後業務は再開され業務停止の間の顧問料は返金(減額)された。当然だが。
その後会社と担当者から挨拶があり、おそらくはイメチェン目的が大きい(?)のか、社名を現在のヘッジファンドダイレクトに変更したわけだ。
積立自体はIFAに問題があったとしても関係がないので、粛々と自動的に続いていたわけだが、この一件を受けて日本の解約者が殺到したのか、その後ハンサードは日本から新規での募集を終了している。
参考:【ハンサード積立投資】優良な海外ファンドに投資するメリットや注意点
具体的なサービス内容
ではヘッジファンドダイレクトが、具体的にどのようなことをやってくれるのかについてまとめてみる。
ざっとあげてみると以下のような内容。
- 投資全般についての相談
- ポートフォリオ変更などの手続き
- 定期的なレポートの発行(メールやPDFなど)
ひとつずつ見ていこう。
投資全般についての相談
まず最も有用だと感じられるのは、投資全般(積立投資が中心)についての相談ができることだろう。
これは電話・メール・オンライン対談(zoomなど)、対面など形式は自由で、今はできないと思うが最寄りのファミレスまで担当者が来て相談に乗ってくれたこともあった。
担当者は積立開始当初から変わっておらず、10年経つのでかなり長い付き合いになる。
対面で話したのは数回しか無いが、zoomや電話でのやりとりに加え、メールでのやり取りはかなりの回数(正直数えてない)だ。
特に2021年からはポートフォリオの変更を数回行ったため、割と頻繁にやり取りしたと思う。
ただ、年間数万円〜数十万円を支払っていると考えると、1回あたりの相談料いくらだよ!という感は否めない。
それでも相談役とか顧問とかコンサル的なものって元々そういうものだし、「いつでも相談できる」という安心感にお金を払っているとも言えるだろう。
ポートフォリオ変更などの手続き
元々英語が堪能な堪能なら良いのだが、そうでなければ海外の法人と契約したり海外ファンドを売買したりするのは大変だ。
なぜなら、契約書は英語だし書面のやり取り(近年流石に書面を郵送してのやり取りはほとんど無くなった)には時間がかかるし、本人確認がスムーズに進まないケースもあるのだから。
その点、IFAなら海外企業ともパイプがあり手続きにも慣れているため、一言メールすればすぐに記入箇所を示した書類が記入例とともに送られてくる。
だからこれまでの契約情報変更やポートフォリオの変更時に書類関係で悩んだことは1度もない。
この点は本当にありがたく思っている。
定期的なレポートの発行
海外ファンドへの積立投資は、積立期間が10年以上の長期投資であるため、短期的なファンド価格の動きというのはあまり意味がない。
ただ、2022年を振り返ってみても分かるとおり、世界の経済状況というのは非常に目まぐるしく変化するものだ。
例えば、コロナウイルス・インフレ・ウクライナvsロシア戦争・世界的なサプライチェーン問題などによって、企業の株価はもちろん原油や金属の価格からGDPや失業率などの指数に至るまで、大きく影響を受けて上下する。
それに加えて各国の政治的な側面や宗教的な側面も考える必要がある。
それらの状況を総合的に分析し、投資環境レポートとして月に1回程度提供してくれている。
このレポートの内容をこの場で見せることはできないが、A4サイズ40ページ前後のボリュームで結構な読み応えがある。
世界的な金融情勢を始めとして、米・欧州・日・中・新興国など各地域に深掘りし、株式・為替・商品など市場ごとの分析にまで及ぶ。
正直なところスラスラと読み進められるような簡単なものではないが、中長期目線で積立投資を行っているものにとってみれば過去数十年のグラフも豊富なので、ファンダメンタルの良い材料となることは間違いない。
確かにこのレポートだけでも有料級なのでとてもありがたいが、顧問料のことを考えるとこれに加えて各個人のポートフォリオに沿った分析を四半期ごとでも良いので欲しいなぁと感じてはいる。
何せ我々はアナリストではないし、PCにかじりついて分析するような時間も無いわけなので。
今回のまとめ
今回はIFAとして私が10年以上の付き合いのある、「ヘッジファンドダイレクト」という会社についてまとめてみた。
現状では担当者との関係性も特に問題はないので、引き続きお付き合いしたいと思っている。
ざっくばらんに言えば、もう少し遠慮せずに質問や要望を投げかけていきたいと思っているので、その点は2023年の目標として掲げていくことにする。
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