なぜポンジスキームに騙されるのか?MLMマーケティングの罠

「ポンジスキーム」という詐欺があるが、いまだにこれに騙されて大金を失う人が後をたたない。

なぜポンジスキームに騙されてしまうのか?

それには「MLM」というマーケティング手法も深く関わってくるため、合わせてまとまていくことにする。

 

ポンジスキームの甘い罠

ポンジスキームはある程度投資経験がある人なら、そんなうまい話があるわけないだろうと騙されることはない。

騙されるのは、ほぼ投資経験がない人や短期的なリターンが欲しくてたまらない(要は楽して早く儲けたい)人たちだ。

 

ポンジスキームで騙される流れ

誘い文句としてはこんな感じ。

「投資した金額の〇〇%(例えば10%)が毎月リターン(配当)として得られますよ」

 

100万円を出資すれば毎月10万円が振込まれるわけだから、

「300万円出資すれば毎月30万円ゲットできて人生あがりじゃん!ウハッ!」

と大金を突っ込んでしまうのだ。

 

冷静に考えてみればそんな上手い話があるわけないのだが、ポンジスキームが巧妙なのは「実際にこのリターンが最初の数ヶ月は振込まれる」という点。

実際に“あり得ない”利率のリターンが振込まれると「マジだ!こんなおいしい投資は他にはない」と完全に信じ切ってしまうというわけ。

 

そして更なる大金を場合によっては借金までして注ぎ込む人も出てくる。

そうして数ヶ月経つと突然リターンは振込まれなくなり、担当者に連絡をしても音信不通・・・

 

そこでようやく我に帰り、騙されたと気がつくわけだ。

騙した方も最初のうちはリターンを振込んでいるのは事実だが、これは出資されたお金から出しているので実際になんの痛手もない。

 

例えば100万円から3ヶ月分の30万円を振込んだとしても、その後逃げてしまえば残り70万円は奪えるのだから。

 

ポンジスキームとMLM

どんなに口がうまくて出会った人を騙すことができたとしても、1人で全てやっていたのでは労力やリスクに対して割が合わない。

そこでポンジスキームと相性が良く同様に詐欺手法として行われるのが「MLM(マルチレベルマーケティング)」

 

実際にMLM自体は詐欺ではなく歴としたマーケティング手法なのだが、これまた昔ながらの詐欺手法である「ねずみこう」と紙一重なのだ。

ねずみこうの詳細については確認していただきたいが、とにかく爆発的に会員(出資者)を増やせるから、その分“見せかけの”配当に回せるし、騙し取れる金額も二次関数的に増える。

 

MLMについては次章でもう少し詳しく書くことにする。

実は恥ずかしい話だが私も騙されたことがあるので、その経験も交えようと思う。

MLMは全部怪しい

MLMは本来はマーケティング手法であり、平たく言えばいわゆる「紹介料制度」みたいなものだ。

例えば、以下のような感じ。

 

「この投資方法を1人に紹介するごとに〇〇円紹介料を差し上げます」

「紹介した人が投資した金額の〇%をリターンにプラスします」

 

で、このマーケティング手法のすごい(ハマってしまう)ところは、紹介した人が更に何人かに紹介し、更にまたそれらの人が紹介し・・・

という風に階層的(ねずみ算式)に紹介者が増えていき、下層にいる紹介者の分のリターンが報酬としてプラスされる点

 

紹介した分だけどんどん報酬が増えるから、人によっては家族を含めて手当たり次第に知人に紹介したり、更に他の人に紹介してもらえるように促したりと、躍起になる人が出てくるのだ。

もちろんこれは本来しっかりとしたマーケティング手法なので、頑張った分だけ稼げるのは全然良いことだし、紹介された方も「儲け話」に悪い気はしないだろう。

 

しかしこれには非常に大きな問題があって、それは「ほとんどが詐欺」だということ。

純粋な詐欺じゃなかったとしても、それを提供している企業が破綻するケースも多いのだ。

 

仕組み上、爆発的に会員数が増えるのは事実なのだが、それに対応しきれなかったり流行りが一気に過ぎ去ったりして呆気なく終わりを迎える

あとは行政に目をつけられて、業務停止や裁判になるケース、運営者が逮捕されるケースも珍しくない。

 

それによって知人との信頼関係を無くしたり、最悪は親族間の関係にヒビが入ってしまうこともあるわけだ。

 

私の苦い経験

私も詐欺ではないが、100万円以上を一気に失った経験があるので、シェアしておく。

具体的にはビットコインのマイニング機器を販売している海外の会社で、出資した分だけマイニングで得たビットコインの分配益を得られるというもの。

 

始めた時はまだ1ビットが30万円くらいで、ビットコイン自体の価格もぐんぐん上がっている最中で、仮想通貨(当時はそう呼ばれていた)が世間でも流行り始めたところだった。

この少し後には「億り人」なんて言葉がメディアで取り上げられるようになったと記憶している。

 

典型的なMLMの形式を用いており、自分の紹介コード経由で登録してもらうと紹介料が入り、下層にその登録者を紐づけることで購入したマイニング機の数%分が毎月得られるのだ。

登録者が更に新たな人に紹介し下層に紐づけることで、上層の人の取り分はどんどん増えていくことになる。

 

当時はみんな非常に熱があり、個人的にセミナーを頻繁に開催し、会社の同僚・友人・家族まで巻き込んで猛烈な勢いでコミュニティーを形成していった。

計算が得意な誰かが、「〇〇人誘ってこんな風に下層に紐づけて、ビットコインの価格が〇〇%で上がったとすると、1年後には月に〇〇万円が自動で入ってきます」みたいなExcelを作ったりもしていた。

 

それで結果的にどうなったのかというと、運営会社が行政に目をつけられて経営陣が詐欺容疑で逮捕、マイニング機器などの資産は凍結(名目上は裁判の判決が出るまで)されたのだ。

その後のことは大体察しがつくとは思うが、メインで情報発信(専用のグループLINEにて)していた紹介者の人達は詐欺師呼ばわりされ罵倒され、次第に発言も減っていった。

 

中には親族にも多額の出資をしてもらい、少しでも返ってこないのか?と泣きつくような内容のものもあった。

それから3年以上が経つが、海外のことであり情報発信するものがいなくなってしまい、完全にうやむやになってしまった。

 

当然1円も返ってきては無いのだが、私としても既になくなったものと考えている。

友人や親族には紹介していなかったので被害は無いし、勉強料だったと思って先に進んだわけだ。

今回のまとめ

ポンジスキームは古くからある代表的な詐欺手法で、未だに騙される人は多い。

今回はなぜ騙されてしまうのかを考えるとともに、関わりの深いMLMについても私の経験を交えてお伝えした。

間違っても「毎月確実に〇〇%のリターン」みたいな詐欺商品に投資しないよう注意しょう。

参考:【ハンサード積立投資】優良な海外ファンドに投資するメリットや注意点

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