「ファンド」はそれ自体が複数の企業の株式や債権などを保有し運用されている。
その中でも積極的な運用によって高いパフォーマンスを目指すのが「アクティブファンド」だ。
ただ、市場平均を上回るパフォーマンスを上げるアクティブファンドは少なく、投資すべきではないと提唱しているアナリストや経済学者も少なくないのだ。
では実際はそれが本当で、じゃあどう投資してくべきかを考えてみる。
アクティブファンドは勝てないのか
数年前から「インデックスファンド」への投資が流行っているが、それに対して「アクティブファンド」はどうだろうか。
実際のところ、あまり分かっていないとか、なんとなくリスクが高そうなどのイメージがあるように感じる。
そもそも、ネット証券などでも簡単に購入できる「ETF」はインデックスファンド(何らかの指数に寄せたパフォーマンスを目指す)だし、アクティブファンドへの投資方法が分からない人も多いだろう。
アクティブファンドへの投資の現状
まずアクティブファンドに投資する方法としては、投資信託として購入したり投資銀行やIFAを通じて行うことができる。
投資信託については銀行や証券会社を通じて購入するのはもちろん、ネット証券を利用すれば低価格(最低投資額が)から投資可能なものも多数ある。
それ以外にはIFAを通して購入したり、まとまった資金があれば少々敷居の高い海外のファンドを紹介してもらえるかもしれない。
よく富裕層が利用している「プライベートバンク」では、知識も経験もある専門の担当者が一般には出回らないような投資案件(投資額が大きい)を紹介してくれるようだ。
いずれにしても、インデックスファンドに比べると手数料は高く、下手をすると“手数料負け”する可能性も高いため、初心者向けではないと言える。
それもあってか、銀行の相談窓口で相談員から勧められたものを、言われるがまま右から左に購入してしまう人も少なくない。
例えば、退職金でまとまったお金が入り、ちょっと投資やってみようかななんて軽い持ちで銀行で紹介された投資信託に大金を突っ込み、多額の手数料を取られて利益が出ないばかりかむしろ損失を出すなんてのはよく聞く話だ。
そういったところの営業は、相談者の利益を考えているわけではなく単に手数料を取りたいだけなのだ。
高いリターンが得られる可能性がある反面、“悪質な手数料ビジネスの温床”になってしまっているのも事実なので、簡単に自分の大事な資金を突っ込むのは得策ではないだろう。
アクティブファンドの成績
アクティブファンドが、パッシブ運用(市場の指数に追従する)を上回る成果を目指しているアクティブ運用であることは先に述べた通り。
だが、これは言うのは簡単でも実行する(実行し続ける)ことは非常に難しい。
なぜなら、どんなに頭が良くて知識も経験もある人でも「未来を知ることはできない」からだ。
私が購読している有料レポートにこんな一節があった。
投資コンサルティング会社グリニッジ・アソシエイ ツ創設者のチャールズ・エリス氏は、「10年以上にわたって、米国のアクティブファンドの83%が選択したベンチマークをアンダーパフォームし、40%はひどいパフォーマンスのために、10年間のファンド運用期間が終了する前に解約されている」と指摘している。
出典:Oxford Capital Letter
つまり、販売されているファンドの10本中8本以上が市場をアンダーパフォームしているということ。
もちろんこれよりも楽観的なデータも多数あるとは思うが、多くのファンドが勝てないという点は一致している。
じゃあ投資するべきじゃないのでは?と感じるのが普通だが、高いパフォーマンスをあげるファンドがあるのは事実なので、そのようなファンドにどう投資していくかを次章で書いていく。
優良なアクティブファンドに投資する方法
アクティブファンドはファンドマネージャーの裁量によって高いパフォーマンスを目指すものだから、中には市場平均を大きく上回る成績をあげる(あげ続ける)ファンドもある。
そのようなアクティブファンドは少ないのは事実だが、投資することができれば中長期的に見て資産を大きく増やすことができる可能性があるのだ。
優良ファンドの一例
例えば、私は現在ハンサード社のアスパイアという積立投資をやっていて、そのポートフォリオ内のとあるファンドは以下のようなパフォーマンスだ。
コロナショックの影響は受けているものの、全体的に見れば右肩上がりに成長してるのが分かる。
グラフの期間は5年だが、この間の成長率は59.18%なので、もし5年前に100万円投資していたら、現在は159万円になっているということになる。
ただ、「FINANCIAL TIMES」などのページを見ると、このファンドの最低投資額は500万円ほどなので、なかなか「じゃあこのファンドに投資します!」と言ってできるものではないだろう。
このように優良なファンドは初期投資額が非常に大きくて、いわゆる富裕層向けにしか公になっていないようなケースも少なくない。
少額から優良ファンドに投資するには?
結局のところ「金持ちはさらに金持ちになる」「お金のあるところにお金は集まる」ということなのか?
それは事実なのだが、だからと言ってこのようなファンドに小額から投資できる手がないわけではない。
現に私が現在進行形で行っているハンサード社の積立投資は、上記のファンドを含む厳選された100を超すファンドの中からポートフォリオ(投資先)を選ぶことができる。
しかも毎月の積立額は一定で1ヶ月の最低金額は25,000円程度(2022年2月現在のレートで換算)なので、かなり現実的な金額だろう。
この場合ポートフォリオに組み入れるファンド数やパーセンテージは自由に決められるので、1ファンド当たり月々数千円という金額から投資できることになる。
ただ、このような“投資商品”につきものなのが「手数料」であり、比較的高めなので注意が必要だ。
私がやっているハンサードのアスパイアは長期積立なので、続けるほど手数料が安くなるように設定されている。
参考;ハンサードのアスパイアって手数料高すぎ!?積立実績から分析してみた
これ以外にも同じような投資商品はあるので、毎月少額の積立で長期的に資産を形成したい人は検討してみて欲しい。
参考:【ハンサード積立投資】優良な海外ファンドに投資するメリットや注意点
今回のまとめ
アクティブファンドは市場の指数よりも高いリターンを目指す。
結果として運用成績の悪いファンドが多いのも事実だが、中には高いリターンをあげている(あげ続けている)優良ファンドがあるのも事実。
そういった優良ファンドは通常は一般庶民には話が降りてこないし初期投資額も大きすぎるから初心者には敷居が高い。
とは言え、良いIFAとの巡り合わせや積立投資タイプの投資商品なら、そういった優良ファンドへの投資も可能だ。
手数料は高いので、自分の投資スタイルや資金に応じて検討する必要があるだろう。
コメント