証券会社に口座を開設するというのは、投資において最初の一歩だ。
そして必ずやらなければならないことなのだが、この部分でつまずいてなかなか投資を始められないという人も少なくないようだ。
そこで今回は、証券会社の選び方をまとめようと思うが、主に私が実践している長期投資に向いている証券会社について書いていくことにする。
証券会社はネット証券が基本
30年以上前なら証券会社といえば窓口で担当者とやりとりするオフラインの形式が主流だっただろう。
だがインターネットが当たり前もものとなった現在、証券会社といえば一般的には「ネット証券」と捉えて良いだろう。
口座開設の申し込み〜入金や取引まで全てネット上で完結するのだ。
しかも口座開設や維持手数料は無料で、取引にかかる手数料も驚くほど安い。タイムラグもほとんどない。
なので、株や債券に投資をしようと思ったら、まずはネット証券に口座を開設することを考えよう。
国内のネット証券の場合、ほとんどどれも遜色ないので大手ならどれを選んでも問題はない。
例えば、
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
しかも最近は大手ならホームページがスマホの画面に最適化されているし、専用の取引アプリも結構出ているから、パソコンが無くても取引しやすくなった。
で、じゃあ結局何を基準に選んだらいいの?と思うかもしれないが、率直に言って明確な基準は無い。
というのも、取扱銘柄に大差はないし手数料がずば抜けて安いところがあるというわけでもないのだ。
どちらかといえば、開設時のキャッシュバックキャンペーンや、取引・運用で貯まる・使えるポイント(Tポイントや楽天ポイントなど)、そして好みの問題になってくるだろう。
なのでお勧めなのは一通り口座は開設してしまい、自分のライフスタイルや好みに合わせつつ少額の取引をしてみて比較すること。
投資は“やってみる”のが1番身になるし経験値も上がるのだ。
長期投資に対してはどの証券会社か?
長期投資に対してはどのような証券会社が有効だろうか?
特に重要なのは、「企業としての安定感・信頼感」と「手数料」だ。
企業としての安定感
1番大切なのは会社の安定感だろう。
なぜなら、10年〜30年以上の長期にわたって取引や銘柄の保持を行っていくわけで、途中で倒産したり取引できなくなってしまったりしてはダメだからだ。
元々証券会社は自社の資産とユーザーの資産は分けて管理しなければならないことになっているし、万が一管理が杜撰だったとしても1,000万円までは投資者保護基金によって補償される。
ただ、それだけでは全くもって十分とは言えないだろう。
何せ10年〜30年以上の長期運用するのだから、コツコツ積み上げていってそれなりのリターンがあれば、資産額が1,000万円を超すこともザラなのだ。
現に私は海外ファンドへの積立投資や米国株への投資を初めて10年程度だが、資産総額としては既に1,000万円近い。
そして万が一破綻してしまい補償額以内だったとしても、申請手続きが面倒だったり予想以上に時間を要したりする可能性が高い。
なので、大手の安定感や信頼感はもちろんなのだが、ある程度の額になってきたらいくつかの会社に分散することも視野に入れておくべきだろう。
手数料は安いに越したことはない
もうひとつ大切なのが手数料だ。
前章で、どの証券会社も手数料に大差はないと書いたが、長期投資の場合には注意が必要だ。
なぜなら、ほんの少しの差でも売買回数(基本的には買ったら保持)が増えればその差は大きくなていく。
数円の差が数千円、数万円と膨らむこともあり得るわけだ。
ネット証券は基本的に手数料が安い(数十円〜数百円)ので、1回の取引では気にせずスルーしてしまうことも多いかもしれない。
だが、例えばたった1%手数料に差があるだけでも、数十年という長期投資においては最終的な差が数億円にまでなってしまうケースだってあるのだ。
これは長期投資に複利のパワーがより働くことによるもので、時間が経つほどにその差が大きくなっていくのだ。
参考:海外積立投資の複利パワー!最大化するために絶対にやるべき事とは?
海外の証券口座は必要?
最後に海外の証券会社について触れておく。
私は米国株にも投資しているのだが、日本の証券会社でもだいぶ取扱銘柄が増えてきたとはいえ、取扱がない銘柄もある。
取扱いがなければ当然購入できないため、時には“機会損失”になってしまうこともあるだろう。
つまり、今後の成長が期待される・全体的な下げ相場で株価が割安になっている・新たなイノベーションとなりそうなどの理由により投資したくても、どうにもできないのだ。
なので、最初から必要はないとは思うが、経験を積んでもし上記のような銘柄が出てきたら、海外の証券会社の口座を開設することをお勧めする。
海外の証券会社大手と言えば、以下の2つ。
- サクソバンク証券
- インタラクティブブローカーズ(IB)証券
どちらも口座開設や口座維持手数料は無料なので、作っておいて損はないだろう。
※IB証券は以前まで取引量に応じて維持手数料が発生していたが、廃止された。
私も両方作ったが結局はIB証券を使っている。
取引手数料が安いのと、取扱い銘柄が多いからだ。
また、海外証券口座では「オプション取引」という海外ではポピュラーな取引を行うこともできる。(詳細は別記事にて)
実際に口座開設し取引を行うなら、以下の注意点は押さえておいてほしい。
海外証券の口座開設時の注意点
日本では2024年から新たなNISA制度に切り替わるが、NISAは日本の制度なので海外口座では適用できない。
また、マイページは日本語だが、資金の送金やメッセージなど、とにかく英語が多いので分かりにくい。
そして入金が海外送金扱いになるので、その手続きが若干煩わしいのと、手数料が高いというのは否めない。
日本の証券会社なら入金は無料でできるため、複数回に分けずにある程度まとめて入金すべきだろう。
今回のまとめ
証券会社へ口座を開設するのは投資の第一歩だ。
長期投資では安定感のある国内の大手ネット証券からひとつ。
そしてできれば海外証券口座も開設しておくとベターだろう。
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