2013年2月に開始したハンサードの積立投資。そのポートフォリオの中のファンド「HIL US Stock Market (JP Morgan US Value)」についてまとめる。
ファンド名にもある通り、バリュー銘柄(実績や事業規模の割に割安で取引されている銘柄)を組入れているファンドだ。早速見ていこう。
ファンドの概要
当ファンドは、世界最大級の金融サービス企業である「JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー」の資産運用部門に当たる「JPモルガン・アセット・マネジメント」が運営母体となっているファンドである。
私自身のポートフォリオに組み入れている「HIL JPMorgan ASEAN」と同様だ。
特徴は何といっても、米国の大型バリュー株に投資し(ファンド自体のポートフォリオ)、長期的な成長戦略をとっていること。
バリュー株とは?
企業が生み出している価値・利益や資産額に比べて株価が低い状態にある株のこと。配当の割に株価が低いため、配当利回りが高くなる。
企業分析の代表的な指標であるPERやPBRは平均より低くなる。
それとは逆に、株価が高い水準にありリスクも高いがより大きな成長を見込める企業の株を「グロース株」という。
バリュー株は企業の価値に対して割安なことが多いため、“正当に評価”されれば急激にではなくても長期的に株価が上がっていくと予想される。
また、堅実に配当を出し増配し続けている企業も多く、下げ相場でも配当金によるインカムゲインを得られるメリットがある。
ファンドの投資先企業をセクター別に見てみると、不景気やインフレに強い金融・ヘルスケア・エネルギー・生活必需品などの割合が高くなっている。
この辺りはまさにバリュー株の特徴だろう。
投資先の企業群については以下のようになっている。
Company weight
- JPMorgan Liquidity Funds – USD Liquidity LVNAV Fund X (dist.) 3.20%
- Conocophillips 2.86%
- Exxon Mobil Corp 2.81%
- Wells Fargo & Co 2.59%
- Bristol-Myers Squibb Co 2.50%
- UnitedHealth Group Inc 2.14%
- Morgan Stanley 2.04%
- BlackRock Inc 1.99%
- Air Products and Chemicals Inc 1.98%
- Berkshire Hathaway Inc 1.96%
Per cent of portfolio in top 10 holdings: 24.07%
ポートフォリオに組み入れている根拠
日経平均や米国のS&P500などの過去チャートを見ると、一方的に上がったり下がったりしているわけではなく、上下していることがわかるだろう。
例えば以下はアメリカのS&P500の過去5年のチャートだが、全体的には上昇基調であるものの細かい上下を繰り返していることが分かる。
このように市場は上下するものであり、先のバリュー株・グロース株の2つには循環サイクルのようなものがあり、過去の傾向を見ると交互に成績が良くなっているのだ。
そして2022年から今後数年の間はバリュー株の成績がグロース株を上回ると見られている(2022年はそうだった)。
そしてアメリカやヨーロッパに関して言えば、2023年1月現在、利上げのピークははっきりせず景気後退する見方が強いため、バリュー株優位の状況は続くだろう。
そもそも、バリュー株銘柄には毎年配当を出している企業も多いため、「配当を再投資」し続けることで複利の効果を得られることができ、長期投資に向いているのだ。
ハンサードのアスパイアは“ファンドを買う”ため直接配当金をもらう訳ではないが、長期積立投資であるためその視点を持っておくことは大事だろう。
いずれにしても今後数年優位となるであろうバリュー株群に投資する意味で、世界経済全体の動きを見ながらも保持していくことにしている。
ファンドのパーセンテージと運用成績
当ファンドをポートフォリオに組み入れたのは割と最近のことで、2022年の7月になる。
中国がピークアウトしただろうとの見方から、それまで20%組み入れていた中国系のファンドをスイッチングし、15%の割合で積立を開始した。
直近1年の成長率は6.32%であり、組み入れ当初の予想通りじわじわと成長してくれている。
私のポートフォリオ内にグロース株の代表格であるテクノロジー系のファンド(HIL Fidelity Global Technology USD)を組み入れているが、直近1年の成長率が-9.40%と下げているので、やはり2022年はバリュー株に軍配といったところだろう。
バリュー株銘柄は元々爆発的な成長を期待できるものではないが、長期的に見て堅実な成長を期待できるため、例えグロース株優位のタイミングが来たとしても、組み入れていても良いだろうと考えている。
もちろん、パーセンテージの調整は必要だろうが。
今回のファンドまとめ
今回取り上げたのはバリュー株銘柄に投資する「HIL US Stock Market (JP Morgan US Value)」というファンド。
今後数年は優位になるであろうバリュー株だが、その時々の経済状況を見極めつつ、パーセンテージを調整する必要はあるだろうが、長期的に保持していきたいファンドである。
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