私が30代に入ってから積立を開始したハンサードのアスパイア。
2023年7月現在で満期まで1/3を少し過ぎたあたりだが、この10年もかなり紆余曲折があった。
ネットでも断片的な情報がほとんどだし、詐欺だと断言する記事さえあるくらいだ。
ただし肝心なのは、情報に踊らされず自分がやっていることを理解し、投資の軸をブレさせないこと。
その一助となればと思い、ここに私の運用状況を公開する。
ハンサードのアスパイアが詐欺と煽る情報に注意
そもそもハンサードのアスパイアを知るに至った経緯や投資を決意した理由、現行で得られる情報についてお伝えしておく。
単に運用成績だけが見たい方は読み飛ばしてもらって構わない。
なぜ積立を始めたのか?
私がハンサードのアスパイアを始めた時、実はこのアスパイアが積極的にテレビCMでも宣伝されていた。
実際にはアスパイアという商品名ではなく、「いつかはゆかし」という名称を押し出していた。
この名称は「YUCASEE(ゆかし)」という、純金資産1億円以上の人だけが入会できる、オンライン上のプライベートクラブに由来する。
「この投資をすればいつかはゆかしに入れますよ」的な謳い文句なわけだ。
このCMが本当に魅力的だった。
なにしろ当時リーマンショックの余韻真っ只中だったからだ。
で、今思えばこのコンセプトがぶっ飛んでいて、「月5万円を30年間積立てて1億円を作る」というもの。
正直な話、このキャッチーなコンセプトに強く惹かれた。
そして販売元となっていたIFA(現行のヘッジファンドダイレクト社)に連絡を取り、詳細を確認したわけだ。
そこからは一応妻にも了解を得たりネットで調べたりもしたが、当時は子供もいなかったし金融リテラシーもなかったため、「とりあえずやってみるか」的な思いが強かったのは事実だ。
「詐欺」と煽る情報には注意
単純に月5万円を30年間積み立てると1,800万円になるが、1億円には程遠い。
ではどうすればそれが可能なのかといえば、「優良ファンドに長期投資して複利の力を利用する」ということになる。
例えば、年利平均11%で運用できれば、確かに満期に1億円は超えるのだ。
※「1E+8」が1億円、税金は考慮していない
これは計算上では確かにその通りなのだが、実際にやろうとするのは至難の業だ。
まず、年利平均で現実的なところでは4%くらいだと言われている。
もちろんすごく調子が良くて資産が倍になることだってあればマイナスになることもあるが、長期的に均せばそのくらいだということ。
それに加えて、実際には税金がかかってくるし、手数料もめちゃくちゃ大きい。
だからあまり深く考えずに始めた人が、「手数料こんなに取られて評価額はマイナスだし、こんなので1億円貯まるわけねーだろ!詐欺た!!」と騒ぎ出すわけだ。
だが、“必ず1億円になる”と言っているわけではないし、手数料にしたって説明は濁されたとしても約款に記載がないわけがない。
CMがちょっと誇大広告じみた部分もあったのは確かだが、まだ始めたばかりの状態で詐欺だのなんだのと煽るのはおかしい。
そもそも、長期投資の性質・ドルコスト平均法・ポートフォリオの組み方などを、しっかりと押さえた上で取り組むべきなのである。
ハンサードアスパイアでの私の運用成績(2023/07)
ハンサードのアスパイアでは、契約者用のポータルサイト(日本語)が用意されている。
だから24時間365日いつでも自分の資産状況を確認できるわけだ。
このポータルサイトでは、支払額や評価額だけでなく、ポートフォリオ内各ファンドごとの成長率やグラフ・積立開始からの取引履歴・取り扱いファンドの概要など、あらゆることが確認できる。
それでまず結論から言うと、以下のようになっている。
- 経過年数:10年6ヶ月
- 総支払額:6,300,000円
- ファンド評価額:7,798,895円
※2023/07/25時点、手数料考慮済み
この金額はあくまでも円換算であることに注意してほしい。
だからここ最近の円安トレンドも織り込まれているから、金額的には大きく見えるだろう。
ポートフォリオ内の各ファンドの状況
現在私のポートフォリオでは8つのファンドを組み込んでいる。
積立開始当初は4つだったが、過去3回のポートフォリオ見直しによって8つに増えたわけだ。
ポートフォリオの変更については以下の記事を参考にしてほしい。
そして各ファンドはそれぞれレビュー記事があるので、詳細は以下のリンクから確認できる。
実はこの中で積立開始時から変わっていないのは鉱山系ファンドのみ。
他はパーセンテージを減らすか、全てスイッチングしてしまったファンドもある(中国株系)。
それぞれの成長率をグラフにすると以下のようになっている。
凡例は割愛するが、ここで注目していただきたいのが、積立開始当初からマイナスで最も成績が悪い水色のファンド。
2013年の開始当初から3年ほどかけてじりじりと下がり、そこからジワジワと上昇するかと思いきや2020年のコロナショックでまた暴落・・・
しかしここから順調に回復し、プラス成長まで戻ってきたのだ。
マイナスからプラスに転じるまでの期間、なんとおよそ8年。
その期間はファンドの価格が安い分、口数を多く仕込めるため成長した時に得られるリターンが大きい。
これは「ドルコスト平均法」の醍醐味であり、定額を積立てることのメリットだ。
自分で言うのも差し出がましいが、このマイナス成長の期間によく持ち堪えたと思う。
ほとんどの人は1年もマイナスが続けばファンドを売却するか、そもそもアスパイア自体をやめてしまうだろう。
期間が30年にも及ぶ長期投資では、長期的に成長を確信できるファンドをポートフォリオに組み込み、マイナス成長の期間をむしろ歓迎するぐらいの気持ちが必要だ。
長期的な視点を持てないのであれば、そもそも積立投資をやるべきではないのだ。
今回のまとめ
今回はハンサードのアスパイアで積立投資を開始してから、10年超経過した現在の運用成績をお伝えした。
長期積立投資はとにかく「続ける」ことが最も大切であり難しくもあると感じている。
断片的な情報や実際にやっていない人が書いた記事などに煽られないようにしてほしい。
ほったらかしにせず、自分のポートフォリオをしっかりと理解するべきなのだ。
運用の参考になれば幸いだ。
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